さて、今回のお遍路話本編です!
今年はうるう年で、その上「壬の龍」年と言う事で、上昇運気がとても良い年との事。
こういう目出度い年回りが来るのは次は60年以上先という事で、お遍路に出かける人も例年より増えているみたいです。
お遍路では札所を巡る順番に特に決まりはないそうで、私も時間のある時に行っている為
順番バラバラですし、時に同じ所を何度も行く場合もあります。
札所にお参りすることを「打つ」と呼び、四国を時計まわりに巡る事を「順打ち」、反時計まわりに巡る事を「逆打ち」といいます。
※「打つ」の語源は、以前、お寺を参拝した際に巡礼者が柱や壁に木製・銅製の納札を打ち付けていたことに由来。
一般的には「順打ち」が基本とされていますが、「逆打ち」の方が功徳が大きいと言われています。
その理由は、弘法大師が順打ちで四国を巡っているので、逆打ちの方が大師に出会いやすいという事と
遍路道が順打ちを基本として作られている為、逆打ちの方が巡礼することが難しいとされている為です。
天候が悪いとか困難が多い程功徳が大きいと言われる所以ですね(^_-)-☆
そして「逆打ち」は大師に出会いやすい・・・という話には、1つの逸話があります。
平安時代、托鉢僧だった空海をかなり冷たい仕打ちで追い払った伊予の国の強欲非道な庄屋・衛門三郎が、のちに子を次々と亡くした事から、
自分の生き様を振り返り反省し、空海にも許しを請おうと何度も後を追い遍路をしてもなかなか会えず、
21回目となる遍路でうるう年に逆から回ってみてやっと会えたそう。
その時の衛門三郎は死の間際で、やっと空海に許しを請え「できれば今度は領主に生まれ変わり、人々を救いたい」という来世への願いも述べました。
その姿を見て大師は衛門三郎を許し「再生」と書いた石を握らせ、その希望が叶うよう祈願。
翌年伊予の国の領主に嫡男が生まれ、その手には「衛門三郎再来」と書いた石が握られていて、その子は15歳で家督を継ぎ、人民を慈しみ偉大な功績をあげたと伝えられています。
そんな言い伝えから、うるう年の逆打ちは「再生」「復活」の意味合いが大きいと言われているそうです(*^_^*)
で、ワタクシ「順打ち」の途中ではありますが、せっかくの機会なので「逆打ち」で参加してみました!(^^)!
香川県からのスタートなので「うどん食べたいなぁ」などという邪念が沸き起こりますが、なんとか鎮めて無心に祈ります。
ブログ内で折に触れ何度も書いていますが、私は基本的にはどの宗教にも属していません。
でも「祈る」という行為は宗教などとは関係なく、きっと皆さんの日常の中でもありますよね。
ロミロミの項でも書きましたが、「明日晴れますように!」とか「〇〇さんの旅行が楽しく過ごせ無事に帰って来られますように」とか、祈りは生活の中のそこここに存在します。
私がお遍路でお経や真言を唱えるのもその中の一つだと思っています。
経本の中にも「ただ一つ、真心で御願いするのが大事です」とあります。
そして、拝んでいる事さえ忘れ、仏と一体になった時に内なる世界が現れると。
お経や宗派などにはこだわらない自由な心で静かに祈ります。
これは不思議な事なのですが、そうしていると毎回何か気づきがあるのです。
今回は・・・般若心経を唱えているうちに、自然と涙があふれてきました。
悲しい涙ではありません。
温かい涙だとはっきりわかるのです。
何故かというと、懐かしいような、何かに受け入れられ心が満ち溢れているような気持ちを感じたから。
唱えながら「有難い」という感情に溢れます。
きっとそれが仏教の根本である『福縁』なのだと思います。
般若心経や真言を一通り唱えた後は、「各自祈願」という時間がありますが、私はいつも今までと変わらず
『サロンや私に関わって下さる方々全てが健康で幸せに過ごせますように』の1点張りです。
福縁でつながって下さる方々が幸せならば、イコール私も幸せですもん(*^^)v
温かい気持ちで「今回も無事に参らせて頂きありがとうございました<(_ _)>」と、感謝の気持ちで帰って来られます。
毎回「感謝」で始まり「感謝」で終わる遍路行は、clean upとpower upを感じます。
清々しい気持ちで帰途につけるこの旅はだからこそ、また来たいと思えるのです。
今年の「逆打ち」は、『再生』の意味合いがある故か、震災などで家族を亡くした人々が訪れるのも多いと聞きます。
頭では分かっていても心ではずっとくすぶっていたり、どんなに注意していても起こりうる抗えない苦しみも、遍路行をしているうちに全て受け入れ、また自分の足で歩く力をもらえるのかもしれません。
私のように供養がきっかけだったり、色んな理由やタイミングで巡る遍路ですが、きっと皆さんそれぞれに何かを掴み、何かを受け入れる旅となるのでしょうね。
順打ちだったら「結願所」となる88番札所『大窪寺』↓
「ちゃんともう一度来ますので(-人-)」と約束をして祈りました。
大きな弘法大師様が静かに待っていてくれます↓
毎回思うのですが、どこのお寺にもある巨木の生命力と霊力には圧倒されます↓
帰りのSAで買った「ザ・すだち」!完全なる名前買い(-_-;)↓
意外に酸っぱくなくてまろやかでした!
遍路中はお土産なんて買う暇はないのですが、皆がトイレに行く隙を狙って買った結願所の厄除け箸やSAで買ったご当地モノあれこれ↓